貧困の問題とその支援

最終更新日 2024年4月11日 by kente

貧困は世界の各地で発生している問題で、物質に恵まれ経済的に豊かになった日本でも、実は隠れていたり苦しんでいる人がいます。
一般的には開発途上国の問題と捉えられがちで、食料や水に医療と、教育や仕事の不足といったものが挙げられます。

貧困の定義

基本的な定義としては、これらの生活に必要な基本的なものが手に入らず、生活苦にあえぐ状況を指します。
極端なケースでは人としての尊厳が得られないばかりか、生命さえ脅かされるので軽視できないです。
日本で発生している問題は確かに、開発途上国の現実と比べればまだマシだといえるでしょう。
しかし今ある貧困を見過ごすと将来的に深刻化したり、誰にとっても身近な問題となる恐れがあります。
その為、現実から目をそらすのではなく、現実を見つめて状況を把握したり状況を悪化させないことが重要です。
生活が苦しくなると人はお金や時間どころか心の余裕をなくし、犯罪に繋がることもあるので支援が必要です。

関連リンク:日本ユニセフ協会 運営費

社会的にはこの格差が固定されるのが問題の1つ

支援の声には、貧しいのは個人の問題で努力により解決すべきとの意見がつきものですが、これは間違いで必ずしも個人の問題とは限らないです。
経済には格差がありますが、社会的にはこの格差が固定されるのが問題の1つです。

そして、格差を超えて経済的に豊かになるのは難しく、個人の努力には限界があるのも確かです。 つまり経済苦を個人の問題とするのは無理がありますし、社会の問題を個人に押し付けて支援を行わないのも間違いだといえます。
結局のところ、このような論法は社会の問題を見えにくくしたり、目をそらす口実にしかならないわけです。
生活苦にあえぐ本人達にとっては救いがないどころか絶望ですし、社会的にも問題解決を先送りにしているだけで、後々大きくなった問題が噴出することにもなり得ます。

ひとり親は生活費を稼ぐのに手一杯で時間に余裕がない

日本の場合だと、ひとり親で子供を育てている世帯であったり、家庭に問題がある子供が貧困を継承するケースが多々見られます。
ひとり親は生活費を稼ぐのに手一杯で時間に余裕がなく、子供の宿題を見ることすら難しいことがあります。
子供は寂しさを覚えながらも、親の顔色を窺って甘えたりわがままをいうことを控えます。
一見すると大人しく親の言うことを聞く良い子と思われますが、本当は我慢しているだけで、親の愛情や楽しい時間を我慢しているだけかもしれないです。

親の愛情が不足しやすいのも貧困問題の1つ

このように親の愛情が不足しやすいのも貧困問題の1つだといえますし、受けられる教育のレベルの低下によって、将来的に選べる選択肢や就ける仕事が限られることにもなります。
家庭で起こる問題については、親が子供を虐待したりアルコールやギャンブルなどの依存症に苦しみ、子供が保護を要するケースがあります。
子供ができることには限界がありますし、助けを求めようにも誰に求めれば良いか分からないことも珍しくないです。
子供は家庭の経済事情の影響を受けやすく、親がひと度余裕を失うと子供にまで悪影響が及びます。
そう考えると大人よりも積極的に変化を観察したり、家庭事情に問題がありそうな場合は、支援する側からアプローチして必要に応じた手助けをすることが重要となってきます。
日本は政府が実施する児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金の貸付、養育費及び面会交流に係る相談支援といった施策に取り組んでいます。

ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト

また、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトの名前でも、ひとり親や多子世帯のサポートをしている状況です。
これは地方自治体に相談窓口を設けて、何から何までワンストップで相談対応が可能となる仕組みです。
相談窓口では子育てや教育に関すること、生活や就業の悩みを含めて相談できます。
困難を抱える子育て世帯では、出費が家計に直撃して負担となりますから、保育料の無償化などで負担軽減を行っています。
教育費も負担軽減したり、学習支援の形で貧困の世代間継承を防ぐべく対策が行われているのが現在の日本です。
民間では企業が廃棄する食品を分配したり、ボランティア活動で状況を変えようとする動きもあります。

格差の是正は日本経済の底上げに繋がる

1人1人にできることは限られるとしても、協力して輪が大きくなれば助かる人は増えますし、結果的にそれは社会全体にとってプラスになるはずです。
格差の是正は日本経済の底上げに繋がりますし、国力の低下を防いで国際社会の中で存在感を示し続ける原動力になるでしょう。
ところが現状では国力低下の実感に乏しく、日本はまだまだ豊かと信じて疑わない人も相当数います。
このままだと日本は少子高齢化で着実に貧しくなっていきますし、経済格差が広がって生活が苦しい人はより困難に、犯罪に手を染めざるを得なくなる人も出てくると思われます。
大切なのは他人事と考えるのではなく、身近な人も陥ることがあり得る問題として捉えたり考えることです。

まとめ

世界中で経済的に成長して物価が上がる国が続出する中、日本は賃金がほぼ横ばいですから、こういう長引く問題も貧困を生み出していると考えられます。
だからこそ目に見える問題に対処するだけでなく、社会全体を見て改善や解決を目指す必要があるでしょう。